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ASK THE MASK · PRESENTED BY ARC

53歳女性。160cm、体重68kg 同じパーソナルトレーナーに年単位でみてもらっています。スタート時より15kg減量できまし…

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質問

53歳女性。160cm、体重68kg 同じパーソナルトレーナーに年単位でみてもらっています。スタート時より15kg減量できましたが、健康のため、見た目のためにもあと10kgは落としたいと思っています。 パーソナルに通い出した頃は世間が糖質オフブーム。きっちり守って出した結果が1年ほどで15kg減量。 そこから数年経ちますが、もう糖質オフを頑張れなくて、あらゆるものを食べては、思い出したように糖質オフしてみる…の繰り返しで体重はびくともしません。 最近では朝と夜はプロテイン、お昼はソイジョイにしなさい、と指導されていますが、そこにも疑問を抱いてしまい、自分勝手に食べてしまうことも結果を出せない原因だと思っています。 疑問を口に出したこともありますが、落とさないといけない体重が大きいから、との理由でした。 SNSでは食べながら痩せる、とか、栄養バランスを整えると痩せるという情報が溢れていて、食べたい気持ちが強いあまりそんな情報を信じてしまいたくなります。 果たしてどれが食事制限の正解なのでしょうか。

パーソナルトレーナーの仮面から

回答

ご質問ありがとうございます。 まず、糖質オフで15kg落とせたこと自体は、ひとつの成功だったと思います。 ただし、そこで考えたいのは、 一度うまくいった方法が、数年後の今も同じように合うとは限らない ということです。 身体は、年齢、筋肉量、活動量、睡眠、仕事、家庭、ストレス、生活リズムによって変わります。 本人も気づかないうちに、前と同じ身体ではなくなっていることがあります。 実際、私のお客様でも、最初は順調に痩せていたのに、ある時期から減るどころか毎月少しずつ増えていった方がいました。 食事を聞いても、大きく変わったようには見えない。 でも話を振り返ると、 「もしかして部署異動してから増えていませんか?」 というところにたどり着きました。 確認すると、以前より明らかにストレスが増えていた。 生活の余裕も削られていた。 体重が動かないから気持ちが乱れているのかと思っていたけれど、実際は逆で、生活全体の負荷が身体づくりに影響していた。 そこを整理してから、また少しずつ前に進み始めました。 だから私は、体重が減らない理由を食事表だけで判断したくありません。 糖質なのか。 脂質なのか。 カロリーなのか。 活動量なのか。 睡眠なのか。 ストレスなのか。 生活の変化なのか。 そこを一緒に見ていくのが、本来のサポートだと思っています。 今回の質問で一番気になったのは、 朝と夜はプロテイン、昼はソイジョイ という食事内容です。 率直に言えば、私はその内容をおすすめしません。 商品や量にもよりますが、書かれている通りであれば、かなり摂取量が少ない可能性があります。 1000kcalどころか、選び方によっては500kcal前後になっていてもおかしくありません。 もちろん、私はあなたの身体を直接見ていません。 筋肉量、活動量、既往歴、血液検査、普段の食事、睡眠、服薬の有無も分かりません。 なので、この場で「あなたにはこれが正解です」と断定はできません。 ただ、 落とさないといけない体重が大きいから という理由だけで、そこまで食事を削ることにはかなり疑問があります。 特に53歳という年齢も踏まえるなら、体重を落とすことだけではなく、 筋肉量をどう守るのか。 日常生活の体力をどう維持するのか。 疲労感はないのか。 栄養不足になっていないのか。 睡眠や気分に影響はないのか。 そこまで見る必要があると思います。 では、 糖質オフがいいのか。 食べながら痩せるのがいいのか。 栄養バランスを整えれば痩せるのか。 結局どれが正解なのか。 私の答えは、 どれも正解になり得るし、どれも不正解になり得る。 です。 魔法はありません。 SNSでは、いろいろな「痩せる型」が紹介されます。 糖質を減らして痩せた。 脂質を減らして痩せた。 白米を食べながら痩せた。 野菜を増やして痩せた。 プロテインを飲んで痩せた。 でもそれは、その人にとって、 何を引くべきだったのか。 何を足すべきだったのか。 が合っていただけです。 たとえば、太っていた原因が毎日のポテトチップスや脂質の高い食事なら、まず余分な脂質を減らす。 それを切り取れば、 脂質制限で痩せる になります。 一方で、食事量を減らしすぎて、野菜や果物、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが足りていない人なら、必要なものを足す。 それを切り取れば、 食べて痩せる になります。 つまりSNSに並んでいるのは、正解そのものではなく、 誰かにとって機能した型 です。 その型が、あなたにもそのまま当てはまるとは限りません。 本当に考えるべきなのは、 あなたには何が多いのか。 あなたには何が足りないのか。 何なら続けられるのか。 何なら続かないのか。 今の生活の中で、何を変えるのが現実的なのか。 ここです。 だから今回の質問に対する私の答えは、 糖質オフに戻りましょう、でもありません。 SNSの「食べて痩せる」をそのまま信じましょう、でもありません。 今の食事指導をそのまま続けましょう、でもありません。 私ならまず、 今の身体、今の生活、今の食事、今の活動量、今のストレス、そして「あと10kg落としたい」という希望を、もう一度ゼロから見直すべき だと思います。 そのうえで、 今は何を減らすべきなのか。 逆に何を足すべきなのか。 体重を落とす速度はどれくらいが現実的なのか。 体重以外に何を見るのか。 筋力や体調をどう守るのか。 この先、何か月単位でどう進めるのか。 そこを一緒に考えてくれる人が必要だと思います。 食事指導とは、ただ正しい食事を教えることではありません。 PFCだけ見ればいい。 カロリーだけ見ればいい。 糖質だけ見ればいい。 脂質だけ見ればいい。 そんなに平面的なものではないと思っています。 人には仕事があります。 家庭があります。 ストレスがあります。 好き嫌いがあります。 食べる楽しみもあります。 できる日もあれば、できない日もあります。 だから食事指導とは、 その人の人生の中で、何を足して、何を引くのかを一緒に考える仕事 だと思っています。 もし今のトレーナーさんに確認するなら、 「この食事はどれくらいの期間続ける想定ですか?」 「体重以外に何を見ていますか?」 「筋肉量や体調面はどう判断していますか?」 「どのタイミングで食事を戻していきますか?」 「私の場合、何を減らして、何を足すべきだと考えていますか?」 このあたりを聞いてみてください。 納得できる説明があるなら、改めて相談しながら進めればいい。 不安が残るなら、別のトレーナー、医師、管理栄養士など、他の専門家の意見を聞いてもいいと思います。 ここまでが質問者さんへの回答です。 ここからは、少し業界の方へ。 今回の、 朝夜プロテイン、昼ソイジョイ という指導。 私はかなり疑問を感じました。 書かれている通りなら、正直あり得ないと思っています。 ただ、ここで私は担当トレーナーを断罪して終わらせたいわけではありません。 そのトレーナーが会社員なのか、業務委託なのか、個人で活動されている方なのかも分かりません。 なので、 「会社に数字を求められているからこうなった」 と決めつけることもできません。 ただ、雇用形態に関係なく、パーソナルトレーナーという仕事には、 結果を出さなければいけない。 痩せさせなければいけない。 何kg落ちたという分かりやすい成果を見せなければいけない。 という圧がかかりやすい。 そして、お客様もそれを期待して来る。 ジムも、個人トレーナーも、SNSも、広告も、ビフォーアフターも、その期待を大きくしてきた。 その結果、現場では、 「とにかく体重を落とす」 ことが優先されてしまうことがある。 その末端に、今回のような極端な食事指導が出てくるのだとしたら、これは一人のトレーナーだけの問題では終わらせられないと思います。 もちろん、極端な食事指導を肯定するつもりはありません。 健康リスクを背負わせてまで体重を落とすことが、本当にその人のためなのか。 そのリスクを説明できているのか。 お客様自身が、そのリスクを理解したうえで選択できているのか。 そこは、トレーナー側が真剣に考えるべきことだと思います。 会社員なら上司や先輩に相談できる環境があるのか。 業務委託なら、現場で孤立していないか。 個人でやっているなら、自分の判断を外から見直してくれる人がいるのか。 どの働き方であっても、 自分一人の判断で、お客様の健康リスクまで抱え込みすぎていないか。 ここは一度考えた方がいいと思います。 ただ体重を落とせばいい。 ビフォーアフターが出ればいい。 契約が続けばいい。 そういう空気があるなら、その中で苦しくなるのはお客様だけではありません。 トレーナーも苦しくなる。 私はこのアカウントで、誰か一人を吊るし上げたいわけではありません。 でも、こういう話は業界関係者にこそ知ってほしい。 代表という仮面。 幹部という仮面。 マネージャーという仮面。 トレーナーという仮面。 個人事業主という仮面。 人気者という仮面。 それぞれの立場を背負ったまま、本当に言うべきことを言えるのか。 自分の看板を背負ったまま、業界にとって都合の悪いことを言えるのか。 それが難しいから、私は覆面でやっています。 顔を隠して好き勝手言いたいからではありません。 立場という仮面を一度外すために、別の仮面を被っています。 こんな曲がったアカウントからでも、業界の透明性や品格を少しでも上げられるのではないか。 そう思っています。 ご質問ありがとうございました。
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